【奈良 下渕マーケット】ボロボロの廃商店街

廃墟


「廃墟商店街」の美学

近鉄吉野線下市口駅を出て少し歩くと、明らかに異質な雰囲気を撒き散らしている昭和の遺物と鉢合わせする。

その名も「下渕マーケット」、高度経済成長期の1960年代に完成した長屋型の商店街である。当時は栄えていたのだろうが、数十年前に全ての店舗が閉業し、今まで残されている。

形はアルファベットの「L」の形をしており、出入り口は二つ存在する。

一歩足を踏み入れると、瞬く間に昭和に飲み込まれる。

チラシはいつからこのポストに住んでいるのだろう。

奥へ進むと急に頭上から光が。

驚いて上を見ると、人に反応して光るライトが残されていた。これからも自ら廃墟に迷い込みに来る変人たちを照らし続けるのだろう。

誰もいないはずなのにこのライトが光ったらすぐ逃げたほうがいいかもしれない。

最深部は今にも崩れそうな状態で危険なので、立ち入り禁止を示す張り紙がある。この先には進めないので反対側の入り口へ。

反対側の入り口から入る。

突き当たりに駄菓子屋がある。ここで駄菓子を買った子どもはもう老境に入りつつある。

ここに子どもの笑い声が響くことはもうない。

誰が置いたのか、駄菓子屋の前には椅子が置かれている。

致死量の郷愁を浴びつつ奥へ。立ち入り禁止ゾーンを挟んでさっきまでいた場所を眺める。

見ての通りこの付近は崩壊寸前のため立ち入るのは控えるべきだ。

残された品々。

かつてここに生活があったことを伝えてくれる。

屋根が急に崩壊するのは怖いが、頭上から急に布団が降ってくるのもそれはそれでビビるかもしれない。

色褪せた看板。

下渕マーケットはいつ崩壊するかわからないが、崩壊する前にもう一度訪れたい。

下渕マーケットの裏手を流れる吉野川。今回の内容とは全く関係ないが、都会では見ることのできないこういう風景がたまらなく好き。


アクセス

所在地:〒638-0821 奈良県吉野郡大淀町下渕209

〔電車〕

近鉄吉野線「下市口」駅から徒歩約5分

タイトルとURLをコピーしました