【岡山 天空の鳥居】紺碧の瀬戸内海を望む、伝説の絶景鳥居!

寺社仏閣


「天空の鳥居」龍王山・龍王宮

龍王山の竜伝説

岡山県倉敷市に標高およそ209mの龍王山という小さな山がある。この山の山頂付近に龍王宮という神社があるが、その龍王宮のすぐそばに天空の鳥居は立っている。瀬戸内海を一望するこの場所からの景色はまさに絶景で、沈みゆく夕日を心ゆくまで楽しむことができる。

龍王宮は竜王山の正式な山頂にあるわけではないが、眼下には児島の街が広がっており、山頂まで行かずとも絶景を楽しむことができる。とはいえ龍王宮まで登れば山頂は目と鼻の先なので、ついでに山頂まで登ってみるのも良いかもしれない。

また、山を一周する形で西国三十三所観音巡礼のための道が整備されていて、ミニ巡礼をすることができる。途中にはベンチが何箇所か設けられているため休憩も取りやすくなっている。

そんな龍王山だが、たまにこの山で水晶が見つかることがある。このことに関する面白い伝説があるので紹介したい。

その昔龍王山には青い竜が住んでおり、周辺の村を荒らしまわっていた。青い竜にうんざりした住民は大槌島(上記写真の鳥居の左側に見える円錐型の小さな島)の神に助けを求める。すると金の槌を持つ大槌島の神は金の竜に変身し、瀬戸内海上で青い竜と激しく戦った。

それはそれは凄まじい戦いだったそうで、金の竜はじりじりと追い詰められ、大槌島に隠れた。しめた!と思った青い竜は大槌島を十重二十重にぐるぐる巻き、締め付けた。すると突然島がぐんぐん膨張し、最後には爆発したため、青い竜はバラバラになって飛び散っていった。その時に飛び散った青い竜の目玉は水晶となり、龍王山に当たって砕けたという。それ以降、龍王山では水晶が見つかるようになった。

この伝承によると龍王山で見つかる水晶は元々竜の目玉だったということになる。鷲羽山スカイラインの建設中にも大水晶が見つかったらしく、もしかするとまだ今も大きな「竜の目」が眠っているのかもしれない。

龍王宮(右)と鳥居

龍王宮の由来

実は龍(竜)王山と呼ばれる山は全国に多数存在する。しかし、なんとそのうちおよそ三分の一が岡山県に存在するという。これには「晴れの国岡山」ならではの理由がある。

岡山県やその近辺の地域では昔から降雨量が少なく、干ばつに悩まされてきた。そこで水の神である龍神を祀り、雨乞いの儀式をする習慣が広まる。この龍王宮もそんな龍神信仰の一つとして生まれたのだろう。空にいる龍神に少しでも近づくために山頂で龍神を祀ることにしたのではないか。

龍王宮からの景色

瀬戸内海に沈む夕陽を独占できる。遮るものは何もない。

児島の街を一望。児島駅を発着する列車を俯瞰で眺めることができる。奥に見えるのは手前から順に堅場島、大槌島、高松市街地。


アクセス

〔電車〕

児島駅から「朝日山聖観世音菩薩」を目指して歩く。ここまで徒歩約30分。ここから山道を登ること約20分でたどり着く。

〔車〕

「朝日山聖観世音菩薩」の手前に駐車場がある。しかし駐車スペースは狭く5台程度しか停められないため電車の利用をおすすめする。

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