猫に支配された離島、相島
世界を魅せる小さな離島
玄界灘に浮かぶ離島、相島。人口は215人(令和2年国勢調査による)の小さな島である。一見どこにでもある離島のようにもみえる相島だが、実はこの島は今、世界から注目されている。
事の発端は2013年。アメリカの放送局であるCNNが相島を「世界6大猫スポット」として取り上げたのだ。これにより全世界に相島の名が拡散され、一躍有名に。それ以降世界中から猫好きが集まるようになり、小さな漁村から世界的な観光地へと変貌を遂げた。
相島に住んでいる猫は150匹とも200匹とも言われており、さすがは猫の楽園、にゃんこがそこら中にいる。本土からの定期船が発着する港付近には多くの猫が集まっており、上陸早々猫と戯れることができる。

相島の長い長い歴史
相島の歴史はとても古く、相島東側に4世紀から7世紀にかけて造られたとされる石積みの古墳群が残っていることから、少なくとも4世紀にはこの島に人がいたことがわかる。また、奈良時代に編纂された『万葉集』や『日本書紀』にも相島は登場しており、ユーラシア大陸と日本を結ぶ航路の要衝として古くから重要視されていたようだ。

豊臣秀吉による朝鮮出兵の際も秀吉旗下の武将たちが名護屋城に向かう途中この島により、海岸の石を積み上げて航海安全と勝利を祈願したとされ、その時に積み上げられた石の山は「太閤潮井の石」として残されている。
また、江戸時代には朝鮮半島からやってくる朝鮮通信使は必ずこの島に帰港し、日本の接待を受けていた。そのため島内には今も朝鮮通信使関連の遺跡がいくつか残っている。
このように相島には長い長い歴史が詰まっているため、猫に会いに行くついでに相島の歴史に思いを馳せてみるのも面白いかもしれない。
相島の絶品グルメ
新鮮なお刺身がたっぷり!大満足定食

港にある「島の駅あいのしま」の1階にある「丸山食堂」。島で獲れた新鮮なお刺身を味わえる刺身定食はボリューム満点!魚のすり身が入ったハート型の「ラブコロッケ」は相島の形を表現しているらしく、言われてみれば相島の形に見えなくもない。
ちなみに道の駅あいのしまの2階には「しまカフェあいのしま」もある。ここでは相島のひじき入りコロッケを用いた「ひじころバーガー」を味わえる。
古民家で味わう、島の食材を使ったイタリアン

集落の奥まったところにある「洋風食堂うみ」
築120年以上の古民家の中で相島産食材をふんだんに使ったワンプレートパスタや、エビを丸ごと使った焼きカレー、週替わりピザを味わえる。
ワンプレートパスタは不定期でメニューが変わるらしく、何のパスタが食べられるかは行ってみてのお楽しみである。ちなみに筆者が訪れた時はうにのパスタだった。

相島には今回紹介したお店の他にも地元食材を楽しめるお店がいくつか存在するので、いつか紹介したい。
猫と戯れるならここ!

相島には猫がそこら中にいる。その中でも特に猫が集まるのは先述した通り港付近である。

船を降りると猫が出迎えてくれる。

観光客などそっちのけて喧嘩に夢中のにゃんこたち。

暑い夏の時期にはよく車の下で涼んでいるが、こんなところにいて大丈夫なのだろうか。
※あくまでも島の方々の生活の場なので、車の下を覗くときは周りに気をつけてほしい。

港の堤防の上をよく歩いている。
せっかく離島に行くならぜひ海と猫のコラボ写真を撮りたいもの。

頭隠して尻隠さず。

民家の軒先で我が物顔でくつろいでいることもある。
この島の支配者は気高き御猫様である。

集落を出ると猫の数は一気に減ってしまう。もちろんいるにはいるが、港周辺ほどではない。
⚠️相島渡航の際の注意事項⚠️
相島の猫へのエサやりは厳禁である。栄養を摂りすぎることで猫の生態系が大きく崩れてしまう可能性がある。猫にエサをやりたくなる気持ちはわかるが、猫を守るためにもエサやりは控えなければならない。
アクセス
〔定期船〕
⦅相島まで⦆
新宮漁港から町営渡船しんぐうで約20分
⦅新宮漁港まで⦆
西鉄新宮駅からコミュニティバスマリンクスで約12分
JR鹿児島本線福工大前駅からコミュニティバスマリンクスで約10分