【大分 旧豊後森機関庫】あの超人気アニメの聖地!いつでも開ける禁断の『扉』

廃墟


旧豊後森機関庫とは

豊後森機関庫の歴史

豊後森機関庫は1934(昭和9)年の久大本線全線開通と共に大分県玖珠郡玖珠町に設置された機関庫で、最盛期には20両以上の蒸気機関車が所属していた大きな扇形の機関庫である。

玖珠は久留米〜大分の九州横断ルートの要衝として栄え、豊後森機関庫も増大する旅客・貨物需要に対応するために大いに活躍した。第二次大戦中は軍事輸送の拠点とされ、大戦末期には米軍の機銃掃射を受けている。ちなみにこの時の掃射痕は今でも残っており、機関庫の壁に見ることができる。

しかし、大活躍であった豊後森機関庫にある転機が訪れる。

当時の蒸気機関車は今の気動車とは違って方向転換をする必要があったため、転車台を有する大規模な蒸気機関庫が必要不可欠だった。そのために全国各地に転車台付きの蒸気機関庫が設置されていたが、全国的に無煙化が進み蒸気機関車が衰退するとそれらは閉鎖され、豊後森機関庫もそんな時代の流れには逆らえず1971(昭和46)年にその役目を終えた。

一時期は解体の危機に瀕していたが、地元の有志による保存運動が功を奏し機関庫は保存されて公園として整備されることになった。その後、近代化産業遺産及び国の登録有形文化財に登録され、2015(平成27)年には隣接する作業員詰所を改修した「豊後森機関庫ミュージアム」が開設された。また、ほぼ同時期に福岡県志免町の公園で展示されていた9600形機関車の無償譲渡を受け、機関庫の前で保存されている。

現在の豊後森駅を出発するディーゼルカー

大ヒットアニメ映画「すずめの戸締り」の聖地

役目を終えた豊後森機関庫だが、最近新たに注目を集めている。

新海誠監督による大ヒットアニメ映画「すずめの戸締り」の冒頭に登場する廃墟に酷似しているとインターネットで話題になったのだ。

「すずめの戸締り」の世界観を一目見ようと国内外から映画ファンが「聖地巡礼」に訪れるようになり、聖地巡礼者のために機関庫の前に「すずめの戸締り」の作中に登場する扉が設置された。

「すずめの戸締り」の扉

「すずめの戸締り」の聖地とされる場所は九州島内なら大分県・宮崎県にいくつかあり、同じ大分県内なら玖珠からそれほど離れていない湯平温泉が聖地の一つだといわれている。聖地巡礼がてらこの2箇所を訪れ、「すずめの戸締り」の世界観に浸るのも楽しいだろう。



旧豊後森機関庫の「今」

機関庫と転車台がそのまま残っている。久大本線と繋がる線路は撤去されてしまったが、転車台から機関庫まではそのまま保存されている。

廃止されてから50年以上経つが、建物自体はしっかり残っている。

草ボーボーの線路、所々ガラスが抜け落ちた機関庫が独特の郷愁を醸し出す。

先述した扉。

開けてもミミズは出ない。

志免町から譲渡された機関車。玖珠に残る蒸気機関車はこの一両のみとなってしまった。

アクセス

所在地:〒879-4412 大分県玖珠郡玖珠町岩室36−15

〔電車〕

JR久大本線 豊後森駅から徒歩約5分

〔車〕

大分自動車道 玖珠I.Cから約5分

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