【北海道 鶴居・伊藤サンクチュアリ】タンチョウ舞う美しい雪原

絶景・自然

超希少!タンチョウが間近で見れる村


鶴居・伊藤サンクチュアリとは

鶴居・伊藤サンクチュアリは北海道阿寒郡鶴居村にある、タンチョウを間近で観察できる貴重な場所である。この場所ではタンチョウの餌が不足する冬季(11月中旬〜3月12日)に給餌を行っており、それを目当てに集まった野生のタンチョウを観察するために毎年全国から多くのバードウォッチャーが集まる。

鶴居・伊藤サンクチュアリは伊藤良孝氏と日本野鳥の会が協力し、伊藤氏がもともとタンチョウの給餌を行っていた土地の提供と日本全国からの募金によって建てられた。給餌場の他にネイチャーセンターがあり、ネイチャーセンターはタンチョウとその生息環境を保全する拠点として用いられており、常駐するレンジャーがさまざまな活動を行っている。

タンチョウってどんな鳥?

タンチョウは北海道を代表する鶴であり、特別天然記念物及び希少野生動植物種に指定されている。江戸時代には三河島村(現在の荒川区)付近に飛来して越冬していたそうで、歌川広重の『名所江戸百景』にその様子が描かれている。

かつては日本中に住んでおり、先述した通り江戸でも見られたが乱獲により個体数は激減してしまった。一時期は絶滅したと思われていたものの1924年に釧路湿原で10数羽が見つかったことで野生のタンチョウがまだいることがわかり、そこから個体数を増やす試みが始まった。

最初の頃こそ個体数は増減を繰り返していたが、伊藤氏や日本野鳥の会による大規模な給餌が始まると個体数は劇的に増加し、2021年1月時点の調査では飼育下の個体を含めて少なくとも1516羽が確認されている。とはいえ、同時に個体数の増加による繁殖地の不足、交通事故の増加や過密による感染症の蔓延といった問題も生じており、個体数をただ増やすことをそのまま良いとは言い切れないのが現状である。

北海道の中でも特に道東地方に集中して生息して

季節により姿が変わる!タンチョウの1年

夏(4月〜9月)

タンチョウの子育ての時期である。主に北海道東部の湿原で子育てを行い、生まれた雛は1年ほど親と共に過ごす。

基本的に鶴居・伊藤サンクチュアリでタンチョウを見られるのは晩秋〜初春の時期だが、タンチョウ自体は留鳥なので北海道のどこかにいるにはいる。しかし、夏の時期は湿原に散らばって子育てをしているため観察は困難であり、またタンチョウの子育ての邪魔をしてしまうため探しに行くのは控えた方が良い。

秋(10月〜11月)

夏が終わり、だんだん気温が下がり始めるこの時期にタンチョウは越冬地へ移動する。北海道のタンチョウは繁殖地からそれほど離れていない場所で越冬するが、ユーラシア大陸に住んでいる個体は越冬地まで700km〜2300kmもの距離を移動し、一部個体は日本に渡来することもある。

大体この時期に鶴居・伊藤サンクチュアリ付近にタンチョウが続々と集まってくる。

冬(12月〜2月)

この時期に最も数が多くなり、最大300羽が飛来する。餌が不足する寒い冬を乗り越えるために、早朝にねぐらから餌場に飛来し、夕暮れ時にねぐらへ向かって群れで飛びたつ。夕日を浴びて飛ぶタンチョウは圧巻である。

2月中旬ごろになるとオスとメスが求愛ダンスを踊るようになる。2羽が力を合わせて息の合ったダンスを踊る様子はとても美しい。

飛び立つタンチョウ

春(3月〜4月)

親が子を独り立ちさせるために追い払う「子別れ」をする。ここで1年前に生まれた雛は親と別れ、以降は厳しい自然の中を自分だけで生きていかなければならない。そしてこの時期になるとタンチョウたちは当地を離れ、繁殖地へと向かい始める。


アクセス

所在地:〒085-1205北海道阿寒郡鶴居村字中雪裡南(なかせつりみなみ)

〔バス〕

JR釧路駅から阿寒バス「つるい保養センター」行きで約1時間、「鶴居村役場前」下車後徒歩約10分

〔車〕

JR釧路駅から約50分、無料駐車場あり

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