【三重 旧九鬼小学校】135年の歴史をもつ、小さな漁村の廃校

廃墟

高台の美しい校舎

旧九鬼小学校付近からの眺め

三重県尾鷲市九鬼町にあった旧九鬼小学校。たまたま九鬼を訪れた際に見つけた、小さな漁村の廃校である。1874(明治7)年に設立された歴史のある小学校で、九鬼の町を見下ろす高台に位置していたが2010(平成22)年に閉校した。

この場所から見える山、湾、瓦葺の家々…。

三重によくある漁村の一風景だがたまらない。ずっと眺めていたい。

校門まではおよそ100段の急な階段を登らなければならないが、この急階段を当時の元気な子ども達は飛び跳ねながら登っていたのだろう。

急階段を飛び跳ねながら登校する小学生も、飛び跳ねて登るだけの体力を持ち合わせていた頃の筆者も、もういない。

校門。正面の建物が校舎、左が講堂である。

「尾鷲市立 九鬼小学校」

立派な看板が残る。

今時珍しい木造校舎だが、綺麗な状態で残っている。

講堂と校舎は繋がっている。

真っ暗な入り口。中に入ることはできない。

静かな小学校になんともいえないものを感じる。

開校100周年記念の石碑。この石碑が設置された当時はまだ子どもたちの賑わいがあったのだろう。

一部分だけ黒く変色した校舎。

草に塗れたブランコが校庭の隅に。

ボロボロの手洗い場。

窓に貼ってあった魚たち。生徒が貼ったものか?

教室の中には机や椅子がいくつか残されている。

廃校のアイドル人体模型も残されており、まるで人間の先生の代わりに授業を行っているように見える。残されているものが多すぎるが故にこの部分だけ切り取っても廃校には見えない。

「全力で」

旧九鬼小学校は閉校してからそれほど時間が経っておらず割と状態が良いのと、多くの残留物がそのままにされていることからとても廃校とは思えない廃校であった。旧校舎を活用して宿泊施設にするなり地域住民の交流の場にするなりすれば町おこしにつながるのではないかと個人的には思うが、実現するには膨大な量の問題を解決しなければならないだろう。

この先解体されるのか保存されるのかわからないが、朽ちてしまう前にもう一度訪れたい。

アクセス

所在地:〒519-3701 三重県尾鷲市九鬼町

〔電車〕

JR紀勢本線 九鬼駅から徒歩約20分

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