海直結の駅

島根県の小さな町に旅情溢れる駅があった。
瓦屋根に青い外壁、窓にはハート、そして古そうな駅舎。なんと1924(大正13)年の開業時からずっと使われているらしい。築100年を越す。

「折居でおりいった話をしませんか?
どこまでも広がるこの海を
眺めながら話をすると
きっとケンカしても
なかな“おりい”できますよ」

年季の入った駅舎を出て道路を渡るとそこはもう日本海である。

さすがは日本海、夏でも荒ぶっている。

特急はこの駅には停まらない。海を横目に走り去っていく。

折居の見どころといえばこの踏切だろう。海につながる踏切である。
訪れた時は知らなかったが、「少女レイ」のMVに出てくる踏切としてファンの中では有名な場所らしい。この踏切で写真を撮っている観光客が多く、なぜこの人たちはここにいるのだろうと思っていたがそういうことだったのかと納得。

タイミングよく特急が通過。この踏切を通過する列車は少なく、1時間以上何も来ない場合もあるため列車と絡めて写真を撮りたい時は事前に列車の通過時刻を調べておくことをお勧めする。

折居駅の一日の利用客数は14人しかいない(2022年時点)。今の所廃止される計画はないが、これ以上利用客数が減り一桁に達してしまったらどうなってしまうのだろうか…。

駅舎に置いてあった思い出ノート。

昔ながらの黒板が残る。スマホの運行情報アプリが登場する前はこの黒板に列車の遅延情報が書き込まれていた。

跨線橋の窓から見える海。窓枠がまるで額縁のよう。

次は夕陽が沈む時間に訪れるのも良いかもしれない。
アクセス
〔鉄道〕
⦅折居駅まで⦆山陰本線普通列車で益田駅から約35分、浜田駅から約20分
⦅海のそばの踏切まで⦆折居駅下車後徒歩約3分
〔バス〕
⦅折居駅まで⦆「益田駅前」停留所から約1時間、「浜田駅前」停留所から約30分