
わざわざ室戸まで行って、一体何がいるの?
ぶっちゃけ、行く前は私もそう思っていました。
でも、校門をくぐった瞬間にその不安はどこかへ吹き飛んじゃいました。
結論から言うと、ここにはイルカもラッコもいません。
でも、「25mプールを爆走するサメ」や「AEDの箱の中でくつろぐ金魚」といった、他では絶対に見られないシュールで愛おしい光景が詰まっています!

私が訪れたのは、日差しが痛いほど眩しかったお盆真っ只中の8月中旬。
かつて子供たちの声が響いていた旧椎名小学校は、いまや1,000匹以上の「新入生(魚たち)」に乗っ取られていました。
教室の机に座れば漁師さんの川柳が並び、手洗い場を覗けばナマコと目が合う……。
そんな、大人にとっては涙が出るほど懐かしく、子供にとっては冒険のような不思議な空間です。
今回は、現地で撮りまくった写真とともに、「ぶっちゃけ何がそんなに凄いの?」という疑問に全力でお答えします。
読めばきっと、あなたも「次の休みは室戸まで走ろうかな」なんて思ってしまうはずですよ!
むろと廃校水族館に何がいる?主役は25mプールを泳ぐサメやカメ!
「何がいるの?」という問いに真っ先に答えるなら、間違いなくこれ。
25mプールをわがもの顔で泳ぎ回る、1.5mは余裕でありそうな巨大なサメとウミガメたちです!

普通、小学校のプールといったら夏休みの楽しい思い出の象徴ですよね。
でも、ここにあるのは「クロール禁止」どころか「サメ・カメ専用」のプール。
初めてその光景を目の当たりにしたときは、思わず「えっ、マジで……?」と独り言が出てしまったほど、度肝を抜かれました。
プールを覗けば、そこは野生の王国
屋根はあるものの、基本的には当時の姿そのまんまのプール。
そこをシュモクザメくんが悠々と、かつ力強く回遊しているんです。

プールの隅っこには、これでもかってくらいウミガメくんたちが集まっています。
お互いに甲羅をぶつけ合いながらワチャワチャしている姿は、まるで「プールの授業をサボってお喋りに夢中な生徒たち」そのもの。

……と思いきや、実はみんな人間がくれるエサを狙っているだけという現金なところも、また愛おしいポイントです。
豪華なショーはなくても、距離感はゼロ
ここではイルカショーのような派手な演出はありません。
でも、手を伸ばせば届きそうな距離(※危ないので手は出さないでくださいね!)で、サメの肌の質感やウミガメの息遣いを感じられるのは、廃校ならではの密な距離感。

真夏の空の下、キラキラ光るプールの水面と、そこを泳ぐサメたちのシルエット。
この「非日常すぎる日常」の光景を見るだけでも、室戸まで頑張って行った甲斐があったと確信しました!
教室にウツボ、AEDに金魚!?廃校ならではのシュールで美しい展示風景
次は校舎の中へ。
一歩足を踏み入れると、そこは「学校あるある」と「海の生き物」がごちゃ混ぜになった、シュールすぎるワンダーランドでした!
何がすごいって、かつて私たちが当たり前のように使っていた備品たちが、ことごとく水槽に姿を変えているんです。
単に魚を展示するだけでなく、学校という空間を全力で「遊んでいる」そのセンスに、歩くたびにワクワクが止まりません。
一番の衝撃は、廊下にポツンと置かれた跳び箱。

普通なら飛び越えるための道具ですが、中を覗くと……なんとイモリが優雅にくつろいでいました!

体育の時間の主役が、今はイモリたちのマイホームになっている……。
本物の跳び箱をブチ抜いて水槽にするなんて、その発想の柔軟さに思わず笑っちゃいました。
あの頃の「空想」が現実になった手洗い場
さらに懐かしさで胸が熱くなったのが、あの長い手洗い場です。
蛇口の下に水が溜められていて、そこがそのままタッチプールになっているんです。

子供の頃、掃除の時間に「ここに魚を放したら面白いだろうな」なんて空想したこと、ありませんか?
そんなささやかな夢が、ここでは見事に叶っていました。
ここではナマコやヒトデ、さらにはエビたちが、その「かつての夢」の中で暮らしています。

ナマコやヒトデと触れ合いながら、冷たい水の感触に浸る時間は、まさに大人へのご褒美ですね。
毎日が参観日!遊び心満載の「学級」たち
教室の中も抜かりありません。
机の上には教科書の代わりに思わずクスッとしてしまう「漁師川柳」が。

廃校のノスタルジーと、室戸の海のリアルなユーモアが混ざり合った、ここだけの空間です。
入校ゲートの「”緊ぎょ”以外使用禁止」という看板のダジャレにニヤリとさせられたかと思えば、トガった性格の生徒(エイ)ばかりが集まる教室に圧倒されたり……。

ここは単に魚を展示している場所ではなく、廃校という空間を全力で面白がっている「遊び心の塊」のような場所。

人間も600円払えば誰でも「参観」できるこの学校では、毎日がワクワクの連続です!
ここでは紹介していませんが、他にもうなぎやハリセンボンなど、地元の漁師さんがわけてくれた、近くでとれた魚たちがたくさんいます!
サイズが小さかったり、網に入ってしまったものの売ることはできなかったり。
様々な事情で漁師さんから譲り受けた魚たちがここで「第二の人生」を送っています。
この廃校の中では室戸の海の生態系がそのまま再現されている、ということになりますね!
8月の真夏に訪問してわかった、現地を楽しむためのコツと注意点
私が訪れた8月16日は、まさに夏休み真っ只中のお盆休み。
高知の強烈な太陽が照りつける中での取材でしたが、結論から言うと、「暑さ対策さえ万全なら、真夏の廃校水族館は最高にエモい!」です。
でも、実際に行って分かった「ここは気をつけたほうがいいな」というポイントや「これが楽しかった!」というポイントがいくつかあったので、実体験ベースでシェアしますね。
夏休みの宿題気分?理科室の「骨博」がアツい
階段を上がって辿り着いた理科室では、期間限定の「骨博」が開催されていました(2025年8月当時)。

理科準備室の棚に並ぶビーカーや顕微鏡、そして所狭しと並べられた生き物たちの骨……。
理科準備室の棚に並ぶビーカーや顕微鏡に混じって展示される生き物の骨は、まるで夏休みの自由研究そのもの。
あの独特のロゴ(どこかで見たような…?)も含め、まるで自由研究に没頭していたあの頃のような、懐かしくて少し背筋がゾクッとするワクワク感がありました。

冷房の効いた室内で、じっくり骨を眺める時間は夏の避暑にもぴったりです。
また、図書室には水産系の分厚い専門書がズラリ。

「当時の小学生には難しすぎない!?」とツッコミたくなりますが、かつてここで専門書を読み耽る神童がいたのかも……なんて妄想を膨らませるのも、この場所の楽しみ方の一つです。

「学校」という懐かしい器の中に、「海」という非日常が注ぎ込まれたこの光景。
どこを撮っても絵になるし、どこを見ても驚きがある。カメラのシャッターが止まらなくなること、間違いなしです!
現地で困らないためのポイント
• 屋外プールの直射日光は強烈: 25mプールのエリアは屋根こそありますが、周囲からの照り返しが凄いです。8月に行くなら、帽子や日傘は必須。校舎内(エアコン完備)との温度差が激しいので、こまめな水分補給も忘れずに!
• ランチ難民に注意: 廃校水族館の周りには、実は飲食店がほとんどありません。お盆時期は近隣の「海の駅」もかなり混雑するので、食事の時間は少しずらすか、事前に決めておくのが吉です。
• 混雑具合: 8月16日は家族連れで大賑わいでしたが、校舎が広いので「人混みで魚が見えない!」なんてストレスはありませんでした。むしろ、あのガヤガヤした感じが、かつての登校日のようで心地よかったです。
子どもに教えたい!「パパ・ママすごい」と言わせる廃校水族館の豆知識
「へぇ〜、そうなんだ!」とお子さんが目を輝かせるような、ちょっとした裏話を集めました。ガイドブックをただ読むのとは違う、生きた知識を伝えてあげてください。
入場料じゃない?「参観料」と呼ぶこだわり
受付でチケットを買うとき、よーく見てみてください。そこには「入館料」ではなく「参観料」と書かれているはずです。
その理由はズバリ!ここは学校だから。ここはあくまで「小学校」という設定を大切にしています。
お客さんは保護者?いいえ、私たちは観光客ではなく、学校の様子を見に来た「参観者」なんです。
「今日はパパとママと一緒に、お魚さんたちの参観日に来たんだよ」と伝えてあげると、探検気分がもっと盛り上がるかもしれません。
むろと廃校水族館の魚たちは「迷子」の集まりだった!?
屋外の25mプールで泳いでいる大きなサメやウミガメたち。実は、どこかの海から買ってきたわけではありません。
この子たちは実は漁師さんからのプレゼント。
室戸の漁師さんの網に、売り物ではないのに「間違えて入ってしまった」生き物たちがほとんどなんです。
他は網に迷い込んだ生き物たちを、水族館のスタッフさんが「お魚の学校に入学しませんか?」とスカウトして連れてきたもの。
「このサメくんは網に迷い込んじゃったんだけど、今はここでみんなに会えるのを楽しみにしてるんだって」とぜひ教えてあげてください。
職員室が「受付」になっている理由
入り口を入ってすぐのチケット売り場。あそこ、実は元々の小学校でも職員室だった場所なんです。
先生たちがいた場所が、当時の姿をそのまま残しながらも今は水族館を支えるスタッフさんの拠点になっています。
「あそこは昔、先生たちがテストの採点をしたり会議をしたりしていた場所なんだよ。今はみんなを案内してくれる場所に変わったんだね」とぜひ伝えてあげてください!
イルカはいなくても、忘れられない夏の思い出がここにある
「結局、むろと廃校水族館ってどうなの?」と聞かれたら、私は胸を張ってこう答えます。
イルカはいなくても、ここには日本一ワクワクする『学校』がある!、と。

きらびやかなショーも、巨大なトンネル水槽もありません。
でも、跳び箱の中に金魚がいたり、かつて自分たちが泳いだようなプールでサメが昼寝をしていたり……。
そんな光景を眺めていると、いつの間にか大人であることを忘れて、夢中でシャッターを切っている自分がいました。

灼熱の真夏に訪れたあの日の空気感——。
少し蒸し暑い廊下を歩く足音や、プールの水の匂い、そして至るところに散りばめられたクスッと笑えるユーモア。
それは単なる観光スポット巡りではなく、自分の子供時代にタイムスリップするような、不思議で温かい体験でした。
室戸という場所は、正直なところアクセスが良いとは言えません。
でも、わざわざ時間をかけて行く価値は、間違いなくあります。

あなたもぜひ、600円の「参観料」を払って、あの頃の自分に会いに行ってみませんか?
そこにはきっと、普通の水族館では絶対に味わえない、あなただけの「最高の1限目」が待っていますよ!
むろと廃校水族館に関するよくある質問
最後に、私が行く前に気になっていたことや、現地で「あ、これ知っておくと便利だな」と感じたことをQ&A形式でまとめました。計画を立てる際の参考にしてみてくださいね!
- Qイルカやペンギン、ラッコなどのいわゆる「水族館の人気者」はいますか?
- A
正直に言うと、あまりいません。
その代わり、室戸の海を象徴するサメやエイ、ウミガメ、そして地元の定置網にかかった「超・地域密着型」の魚たちが迎えてくれます。派手なスターはいませんが、廃校というロケーションで見る彼らの姿は、どんなイルカショーよりもインパクト抜群ですよ!
- Q駐車場はありますか?料金はかかりますか?
- A
はい、校庭のような広いスペースに無料で停められます!
元小学校なので、駐車に困ることはまずありません。ただ、お盆休みのような休みシーズンはかなり混み合います。「満車で入れない」ということは稀だと思いますが、入り口付近は混雑するので運転には気をつけてくださいね。
- Q全部見て回るのに、どのくらい時間がかかりますか?
- A
サクッと見るなら40〜60分、満喫するなら1時間半は見ておきましょう。
展示数自体はそこまで多くありませんが、なんせ「写真映え」するスポットだらけ。私のように写真を撮りまくったり、ウミガメにエサをあげたりしていると、あっという間に1時間半くらい経っちゃいます。時間に余裕を持って登校(入館)するのがおすすめです!
- Q館内でお昼ごはんを食べる場所はありますか?
- A
残念ながら、校舎内にレストランや売店はありません。
飲み物の自動販売機はありますが、しっかり食事をしたいなら車で数分の「海の駅」などへ移動する必要があります。特に夏場はお腹が空くとバテるので、周辺のランチスポットを事前にチェックしておくのが正解です!
- Qお盆休み(8月中旬)の混雑具合はどうでしたか?
- A
人は多いですが、意外とゆったり楽しめました!
私が訪れた際は、たくさんの家族連れで賑わっていましたが、校舎内が広いので「人の頭しか見えない」なんてことはありませんでした。ただ、屋外のプールエリアは本当に暑い!混雑よりも「熱中症対策」の方を優先して準備していくことを強くおすすめします。
- Qおすすめの回り方はありますか?
- A
最初は館内を1階から3階まで順にぶらぶら巡って、最後に屋外に出るのが良いでしょう。
暑い時期だとすぐ熱中症にかかってしまう恐れがあるので、一旦屋外に出ても気分が悪くなりそうだと感じたらすぐ屋内に避難してくださいね!先に屋外プールを見てしまってから校舎の中をゆっくり散策するのもありです。ただし、出口は屋外プールに隣接したところにしかないため注意が必要です。


