1日目 益田・長門大井
新生18きっぷでいざ山陰!

旅の目的地をどこにするか考える時ほど楽しい時間はないだろう。
2泊3日くらいで手軽に行ける良い場所がないか探している時のこと。
「山口県の最北端、萩市から船でひたすら行ったところに知る人ぞ知る絶景離島があるらしい」
そんな心踊る噂を耳にした。それに加え、その島は渡り鳥の中継地となっているらしく、珍しい鳥が集まっているという。そんな島が日本にあるなら行ってみるしかない!
今回のぶらり旅お品書き
1日目
・【鵜山のグロ】小さな山に残る、造られた理由、時期、用途など全て謎の遺跡
・【大井の人面岩】世にも不思議な「人面岩」 雄大な自然が作った芸術作品
2日目
・【萩城城下町】明治維新を支えた、日本史のヒーローたちの故郷
・【見島①】日本海に浮かぶ歴史のある離島 ここでしか見られない絶景がいっぱい!
3日目
・【見島②】渡り鳥の楽園見島 会えたら超ラッキー、激レアなあの鳥が!

博多から一路山口へ
というわけで、島で見られるであろう絶景や珍鳥に誘われ、気がつけば新しくなった青春18きっぷを握り締めて列車に乗り込んでいた。列車は早朝の博多駅を出発し、御笠川を渡る。
新幹線に乗って新大阪方面から博多へ到着する際、到着直前でこの御笠川を渡ることになる。この川を渡ったあたりで「ああ、博多に着いたなあ」と実感が湧いてくるのだが、共感してくれる人はいるだろうか。

小倉と下関で乗り換えて新山口駅。
博多から新山口までの区間は省略させていただく。

ここからは山口線をひたすら北上することになる。乗車したのは二両編成の気動車。

列車は山口行きだったため一旦山口で降車。新山口↔︎山口の区間は日中1時間に1本〜2本程度と割と列車の本数があるが、この駅より先益田まで行く列車となると極端に少なくなり、一日に8本程度しかない。
20分の接続時間があるとはいえ乗り遅れたら大変なので、ちらっと駅前を散策するだけにして早めに駅に戻ることにする。

山口県の県庁所在地の玄関口とされる山口駅だが、代表駅というにはのんびりした雰囲気である。日本一地味な県都の玄関駅と評されることもあるそう。新幹線が通る新山口や下関など、利用者が多い太平洋側の駅に山口県の玄関駅の座を奪われてしまっている。
とはいえ、山口市はニューヨークタイムズ紙の“2024年に行くべき世界の54箇所”という記事内で3位に選ばれているほど素敵な場所で、室町時代の守護大名大内氏にまつわる美しいスポットがいくつも残っているのでいつかじっくり巡ってみたい。

ここから益田まではさらに編成が短くなり、たったの一両編成。ここから先は一気にローカル感が増す。

山口の二駅先の宮野までは市街地を走るため利用者もちらほらいるが、この駅を過ぎると本格的に山の中に分け入っていく。


ひたすら森の中を走る。

津和野市街。いつかこの町も訪れてみたい。

日本三大瓦のひとつ、石州瓦を使った家が目立つ。

山口からおよそ2時間、ようやく益田に到着。
昼食は絶品「広島式汁なし担々麺」

ここで昼食。前から気になっていた、広島で有名な担々麺のお店「くにまつ」が益田にもあるとのことだったので、吸い込まれるように訪問。島根県唯一の店舗らしく、くにまつの味はここか広島県内でしか味わえないらしい。
山椒などの調味料類を自分で追加することができるので、好きなだけ辛くすることができる。ちなみに汁なし担々麺以外のメニューも豊富なので辛いものが苦手な人でも安心。
汁なし担々麺 くにまつ 益田店
営業時間 11時〜15時 17時〜19時
定休日 無休
駐車場あり 駅から徒歩約10分
山陰線をひたすら西へ “謎の遺跡”とは?

この旅を始める前、Googleマップで山口北部の地図を見ていたところ気になるスポットを発見した。とある港町にある石積みの遺跡なのだが、築造時期・理由・用途が全て不明だという。
益田からおよそ1時間ほど行ったところにあるようなので時間潰しがてら行ってみる。謎だらけの遺跡、ロマンしかない。

レトロな駅から汽車に乗り込む。

益田からおよそ1時間、長門大井駅に到着。

レトロな木造駅舎が残る。

かつては何両も繋げられた長い客車列車が行き来していたのだろう。向かい合って残されているホームの長さがありし日の記憶を物語る。今この駅にやってくるのは一両編成の気動車ばかり。

大井の港町をぶらぶら。

石州瓦の家々が連なる。
古くから続く街並みからその地域らしさを感じつつ、あてもなくぶらぶら歩くのが一番楽しい。これぞ一人旅の醍醐味である。

路地に入り、この町の奥にある鵜山の方へ。

奥へ奥へと進んでいくと旧に現れた石積み。なんだこれは。
そう、これこそが謎の遺跡「グロ」である。


なんのために誰によっていつどうやって造られたのだろう。
「全てが謎に包まれた遺跡」というのが良い。誰かに謎を解き明かしてほしい気持ちが半分、このまま謎のままであってほしい気持ちが半分。

グロに沿って奥へ。近くにあった案内板曰く、この先に人面岩なるものがあるようなので、ついでに寄ってみる。
人の顔をした「人面岩」がどこかに!?

どんどん奥へ進んでいくと急に視界が開けた。草原の向こうには日本海が広がる。

ゴツゴツした岩が延々と続く。大昔の火山の噴火によってできた地形である。この岩場のどこかに人面岩があるというが、この規模の岩場から探し出すのは難しそう…。

と思っていたがすぐ見つかった。確かに人の横顔に見える。
一度人の顔だと思い込んでしまったらもう人の顔にしか見えない。

謎の穴がいくつか。これも遺跡なら面白いが、どうだろう。

ゴッツゴツの岩場。流れ出た溶岩が冷やされて固まるとこうなる。
少し早いが、お腹も空いたのでこの辺りで散策を切り上げて今日の宿がある益田に戻ることにした。次回、ついに今回の旅の目的地、見島へ!

